誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち

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  • 集英社 (2013年11月26日発売)
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今までにも何冊か、虐待を受けた子供たちについて書かれた本は読んだことがある。
里親が書いたもの、治療者が書いたもの、虐待の被害者本人が書いたもの、そのいずれもあったが、すべてに共通していたのは、人は幼少期に絶対的な庇護を受けて育つことで、初めて人間としての根幹が作られること、それが欠落してもたらされる影響は恐ろしく根深いこと、そして、虐待者の多くが、やはり同時に被虐待児であったということだ。

どこかでこの負の連鎖を断ち切らなければいけない。
深く傷ついた心を癒し、家族の温かさと生きる喜びを知ってほしい、そのために奮闘する、医療者、福祉司、児童養護施設のスタッフ、教師、そして里親の方々。

どんなに悲惨な過去を背負わされた子供でも、適切な援助で、人から大切にされる自分も、人を大切に思える自分も、そして生きていることの幸せも、きっと感じることができる。そう信じたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説以外(エッセイ・ノンフィクションなど)
感想投稿日 : 2014年3月7日
読了日 : 2014年3月7日
本棚登録日 : 2013年11月30日

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