芝桜 (下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1979年10月25日発売)
3.98
  • (32)
  • (27)
  • (30)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 217
感想 : 22
5

驕り高ぶり余裕をみせると、蔦代のような女からは隙を衝かれる。阿弥八姉さんの言うとうり格が違うし本当に賢い人はこういう人を寄せ付けないし正子を本当に守ってくれてる人が側にいたら寄り付けなかったはず。正子も天涯孤独でそして若い時に贅沢三昧を覚えた芸者は堅気にはなれない。本人がその気でも世間はそんなに甘くなく特に女は敏感に感じとるので正子も蔦代と同じ世界の人間で蔦代の方では同類にしたい。つくづく友達選びは大事なのと女同士の驕りは命取りで、海千山千の修羅場をくぐった人を甘くみてはいけない。ラストは蔦代と絶交したとなっているが、正子も堅気の人とは本当には友達になれないし第一、話しが合わない。蔦代の方は迷いがないのでその分、悟り、極めれる。そして正子も真からの堅気にはなれないと蔦代は分かっているので、よっぽど堅い人と結婚しない限り一生続く関係になるのでは、、と思うと身も蓋もないので、芝桜の花が2つという描写で前向きに情緒あるラストは良かったです。母子変容に続きすごく面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年7月17日
読了日 : 2015年6月26日
本棚登録日 : 2015年6月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする