たくさん本を借りていたにも関わらず、これだけを1ページずつ
まるでガラスの壜から蓋を開けて、薄荷のキャンディか、綺麗な
果物の砂糖漬けでも取り出して味わうように読んでいました。
おかげで一緒に借りた本は借りなおすことになりそうですが
これで良かったと思います。
清涼で、優しさ 甘い追憶 美しい自然 日々のどこにでもある
慎ましい生活の幸福 祈りの響き―。
などが全編に満ち溢れる佳篇ばかりです。
魂の平安という言葉をよく耳にしますが
安らかさとか、穏やかさというのは、こういうことを
言うんだなとつくづくと感じます。
普通の暮らしの中にあること。
みずみずしい心の動きは、フランス人でない私にも
深く染みとおってきました。
本当にページをめくるのが幸福で、閉じるのが惜しい。
美しい言葉や、素朴な慈しみに出会いたくなったら
何度でも読んでみたい好書です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年5月18日
- 読了日 : 2013年5月18日
- 本棚登録日 : 2013年3月19日
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