フランシス・ジャム詩集 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2012年1月18日発売)
3.75
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 50
感想 : 4
5

たくさん本を借りていたにも関わらず、これだけを1ページずつ
まるでガラスの壜から蓋を開けて、薄荷のキャンディか、綺麗な
果物の砂糖漬けでも取り出して味わうように読んでいました。

おかげで一緒に借りた本は借りなおすことになりそうですが
これで良かったと思います。

清涼で、優しさ 甘い追憶 美しい自然 日々のどこにでもある
慎ましい生活の幸福 祈りの響き―。

などが全編に満ち溢れる佳篇ばかりです。
魂の平安という言葉をよく耳にしますが

安らかさとか、穏やかさというのは、こういうことを
言うんだなとつくづくと感じます。

普通の暮らしの中にあること。
みずみずしい心の動きは、フランス人でない私にも
深く染みとおってきました。

本当にページをめくるのが幸福で、閉じるのが惜しい。
美しい言葉や、素朴な慈しみに出会いたくなったら
何度でも読んでみたい好書です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年5月18日
読了日 : 2013年5月18日
本棚登録日 : 2013年3月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする