読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

制作 : 高橋源一郎  鷲田清一  長谷部恭男  伊藤比呂美 
  • 岩波書店 (2016年11月30日発売)
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5

一日で一気に読んだ。
いま、本を閉じたところ。

私は、現役の大学生世代の時と
社会人の勤労学生だった時と
そしてもう一度、大学にいた。

前2つは卒業し、最後の一つはこの春退学した。

勉強は相変わらず好きで、でもちょっと
一息入った感じ。

気の向くままに読みたいものを読もうかなと。
で…自分の学校やめたくせに、
他人様のゼミの講義と
聞くと、覗きたくなるのが悪い癖。

しかも担当は高橋源一郎氏だという。
紙上講義、いいじゃないか。

教材は岩波新書だと言うし。

ほくほくと読み始めた。

で…哲学・法学・文学の三分野のトップ講義を
読む。いや、受ける。

自分が知らないことを、一度受けた分野でも
授業でこうして突きつけられたら、私だったら。

いや、もうそんなこと考えてない。
がーっと引き込まれて読んだ。

それに対して何か考えるのはあと。
まずともかく最後までページめくろうよと。

哲学も憲法学も文学も、すでに単位は取ったこと
あっても、時代と自分の環境と、社会と教授が
違ったら、まっさらと思って接する方がいい。

だからもう、夢中で読んだ。

ところでこれは、読書そのものに対する姿勢でも
そうで、屁理屈言うより、一応最後まで食らいついて読むって、大事だと思う。

理解できなくてもいいのだ。刺されば。そして刺さる箇所は、その時で違ったりもするから。

まあ待て。まず読め。
そういう感じ。

岩波新書ってまさに、大学の般教のレベルが本として万人に上梓されてるから、自分の詳しくない分野の本でも、タイトルが興味惹かれたら、読む。
知ってる分野でも、やっぱ読む。

で…刺さる何かを多くする。

もうなんにも刺さらないかしら。私。
なんて思っていたのに。

いやいや、うそうそ。

すごい勢いで読んでる。

で、閉じて思った。
今は単位がとか研究がとか言ってないで
こころの赴くまま読むべき時かも…。

すぱーんって私に風穴が開くように。
そして、また学ぶんだ。

このゼミ、私も出たかったな…うん。
読もう。岩波新書。他の本も。

だって本は待っててくれる。
もう読ませてあげないとは言わないし。

違う世界や考え方が触れて、まだまだ私は変わる。
それって生きてるからだし。

読もう。

あ、ひとつだけ気になったのは。

もう少しものを考え、学ぶ時間が欲しい。
急がせないでと学生さんたちが述べてること。

猶予の時間がない人生は挫折すると
何度も私、ブクログでも書いたけど
現役の学生諸君でもそう思うのね。

猶予と、猶予を生むための労働とお金は。
自分で作って、自分で人生を区切り
自分で責任持って自分に与えるしかないのだ。

大丈夫。
ちゃんとレールに乗っても、乗ってないように
見えても、自分がものすごい不満タラタラで
違和感持ってなかったら、最後はどのルートでも
他人は褒めないかもしれないけど、自分は幸せ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読書案内
感想投稿日 : 2017年7月16日
読了日 : 2017年7月16日
本棚登録日 : 2017年6月5日

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