破妖の剣(6) 鬱金の暁闇 10 (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社 (2011年11月1日発売)
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本棚登録 : 174
感想 : 21
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前巻で紫根の妖主が散ってしまった、主亡き璃厳城。浮城の面々は、雛の君によって追い詰められ、アーゼンターラの中に封じられていた、世界を破滅させるための鍵を手に入れてしまいます。一方ラスは、トーンから、自分が翡翠の妖主を倒したせいで雛の君が誕生し、ターラが世界を破滅させるために利用され、命の危機にさらされ、彼らの故郷が襲撃された事情を明かされます。

雛の君に命を抜き出され、死に瀕するターラを助けるためラスは雛の君に決戦を宣言するのですが、そこに、弟、リーダイルの身体を纏った王蜜の妖主が割って入り、まさかの父娘対決?!と…まあそれがこの巻の内容です。破滅の鍵を手に入れて、雛の君は女皇にクラスチェンジw

絶対者となって魔性に君臨し、彼女が再創造する世界には人間は存在しないので、今のうちに人間を使って遊ぶなりなんなりしろ、と配下の眷属に対し、非常に物騒な指示を出してしまいます。全世界の魔性が暴走して人間を狩る状況を阻止し、雛の君の新世界創造を食い止めるために、ラスは父と戦った上で女皇を倒さなければいけないようですね。

本編の内容はこれで全部。

そうそう、闇主はラスに与えた自分の紅い瞳に宿る魔力を解放し、それをラスが自由に使えるようにします。時間を操る力と魅了眼の二つを手中にしました。短いけれど、ラブシーン、というか、再会シーンがありますよ。決着がつくまで甘い場面はお預けですかね。お尻に敷かれそうなラスと闇主の関係がおかしいです(笑)。ちゃんとラブシーンなのにね。甘口がお好みなら、同時収録の外伝でどうぞ。前田さんらしい恋物語でした。

皆さんがお書きの通り、11巻と、これとまとめて、やっと通常のコバルト文庫一冊分なので薄くて悲しいです。体調がお悪いのか、書くのがキツいのか…。かつては面白い作家さんだっただけに、残念で。未完になってしまうと思っていたこのシリーズが完結するだけでも気が済む部分もあります。ここまで付き合ったら、最後まで読もう、とは皆様と同じ。図書館で鬱金10巻から13巻までまとめ借りしました。昔なら発売日、待ちかねていたのに。前田先生、頑張って!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 少女小説
感想投稿日 : 2013年4月20日
読了日 : 2013年4月20日
本棚登録日 : 2013年4月20日

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