硫黄島 栗林中将の最期 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋 (2010年7月20日発売)
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感想 : 19
4

この本の中に収録されている出来事は、
あまりにも重くつらい。
衝撃的なことも収められている。

平常時であればあり得ないだろう出来事も書かれている。

戦争は、実際に関わった人も、残された人々にとっても
長く深い傷を残す。

未だ癒えぬ傷を持っているのは外国の方々ばかりではない。
私達のすぐ側で、今でも祈り、慟哭している方々がいる。
そのことを忘れてはならない。

外国から非難されるのを避けるために、
慰霊や鎮魂を祈るのではなくて

自国で犠牲になられた方々、ご遺族となられた方々
本来なら巻き添えになるはずも無かった方々
(国籍を問わず、外国の方も含めて)
全ての方の心が少しでも安らかならんと祈る姿勢を
忘れてはいけないと思うのだ。

自国の犠牲者の苦しみを真剣に
悼むことも出来ない人間に、他国への苦しみを
思いやれるはずも無い。

国内での犠牲(軍人だった方も含めて)に対して
祈ろうとすると、すぐ国粋的な評価をされてしまうのは
とても残念だ。

戦争で命を奪い、あるいは奪われた人や
愛する人を失った人はみな、同じように
大きな痛みと傷を負っていると思う。
傷を受けた状況が違うだけで。

だからこそ、絶対にもう戦争などあってはいけないのだ。
誰ももう、傷つけないために。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年4月14日
読了日 : 2014年4月14日
本棚登録日 : 2014年4月10日

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