乙女の読書道

著者 :
  • 本の雑誌社 (2014年1月23日発売)
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本棚登録 : 509
感想 : 58
5

いやぁ!もう楽しかった!
実際には昨日一日で読み終わっていたのです。
じゃあ何しててレビューが遅れたのか。

読書管理ソフトに、本書に登場した本を
全部登録しておりました。
既読の本は、ちょっぴりしかなかったです。

でもそれでいい。
目次に出てる本だけざっと登録じゃありません。
通し読みして、その後は文中に出てくる本を全部!
インタヴューの部分以外読み直して登録しました。

それこそ、綺麗な石でも丹念に拾うように。
ああ、これであの本なんだっけってならない!
この安心感!いつでも読めるわ!

私たちはそれぞれに、読書の好みを持っていて
同じような好みのものは放っておいても読みます。

じゃあ、書評の本ってなんで読むのか。
それは、この世にある本の中で、自分が知らない
だけで、ものすごく面白い本が、まだあるんじゃ?
って…期待してるからです。

池澤さんは、SFやファンタジー、純文学や
時代劇と、守備範囲も広そうですが、それでも
自分のテリトリーは、翻訳もののSF・ファンタジー。
とざっくり定めておいでのよう。

偏っているとおっしゃる向きもあるかもしれません。
でも私は、その偏りが好ましかった。

本当に面白かったものを、素直に、これが大好き!
と語るほど、説得力のあるおすすめ法はありません。

その中に、ちろりとでも、私も好きな本が入ってると
そうそう!これ良かったよね!って思うし、

まるっきり知らない本だと、ふむふむ、あなたが
そう言うなら読もう!って思うし。

こっそり気になってた本だと、あ、やっぱ?って。
そうなのよー、やっぱそれ面白かった?みたいな。

とにかく私が選ばなそうな本も好きそうなのも
全部データを取ったのは、ふと、なんか読みたい
けど…なんかいつもの感じは飽きたなあ…。

んー…好きな人に、新しいのこんなのあったって
わくわく言えるようなのないかしら…って時。

あ、じゃあ池澤さんのリストから何か読もうかな!
って、大当たりが一冊でも引けたら、そこから
自力で新しい好みの世界へダイブ出来るからです。

もしもこの本に紹介されてる本が、一冊も好みに
合わなくても、私はこの本に星5をつけるでしょう。

それは、この本の熱気と、本当に本好きの
ねえ!って話したくなる彼女の語り口が大好きに
なったから。楽しくて、面白かった。

選書されている作品群が、好みに合うか合わないかは、
私の、そして次に手に取るあなたの問題。

合わなかったからって、悪いわけでもないし。
何年後かには、大感動!しちゃう一冊が当たるかも
しれない。読書人としての人生って長いですから。

最初は、演技の丁寧な声優さんとして、彼女を
認知していました。

彼女のお茶の本を(最新刊です。)
買ったので他の本も読もうと手にしました。

へぇ…読書、好きなのかな?くらいで、ね。

で…この本を読んで彼女のおうちが、文学に
縁の深いお家であることを知りました。

ですけれど…今の私の、春菜さんへの認識は
全く違います。

上に挙げた事はどれも、事実です。

でも、彼女は私の中で『読み巧者の本好き♪』
つまり、あなたや私の、同類。

めっちゃ本読むの好き!な池澤さん。
ってなりました。

肩書も、人気者であることも、著名な文学者を
家族に持っていることも、解っていますけど
読めば読むほど、そんなのは吹っ飛んで…。

ひとりの本好きの、素直でいい笑顔の、女性が
浮かび上がってきます。

楽しい読書の時間をありがとう。

いろんな才能が花開いて、またどこかで
私と彼女の読者としての道が、
こんな形で交差しますように。

さあ、おすすめの中から、何を読もうかな?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読書案内
感想投稿日 : 2017年11月15日
読了日 : 2017年11月13日
本棚登録日 : 2017年11月10日

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