翼 (テーマ競作小説「死様」)

著者 :
  • 光文社 (2011年6月18日発売)
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本棚登録 : 454
感想 : 88
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 親友に恋人を紹介され、その恋人にプロポーズされる。何をバカげたことを、とりあわなかったが、10数年経て再会すると彼は同じことを告げる。
 なぜそこまで思えたのか。
 「運命の人」だと、なにから、どんなふうに感じ取ったのだろう。

 妻との会話より「運命の人」との会話のほうが彼らしく、穏やかで、幸せそうだった。
 
 まさかそんな亡くなり方をするとは。
 亡くなるまでの数日間、亡くなってから、その間がとても切ない。
 なぜいっしょにならなかったのか、なぜ亡くならなければならなかったのか。
 生きていたらいっしょになれたかもしれないのに、と思うのは傲慢だろうか。

 人と人との間に生まれる気持ち、個人の気持ちをとても現実的に描く人だと思う。
 そしてそれは自分の気持ちの感覚に近く、似ていて、もしかしたら同じ、なのかもしれないと思う。
 そんなわたしの心に、言葉が次々とおりてくるのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 白石一文
感想投稿日 : 2013年1月27日
読了日 : 2012年1月24日
本棚登録日 : 2013年1月1日

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