親友に恋人を紹介され、その恋人にプロポーズされる。何をバカげたことを、とりあわなかったが、10数年経て再会すると彼は同じことを告げる。
なぜそこまで思えたのか。
「運命の人」だと、なにから、どんなふうに感じ取ったのだろう。
妻との会話より「運命の人」との会話のほうが彼らしく、穏やかで、幸せそうだった。
まさかそんな亡くなり方をするとは。
亡くなるまでの数日間、亡くなってから、その間がとても切ない。
なぜいっしょにならなかったのか、なぜ亡くならなければならなかったのか。
生きていたらいっしょになれたかもしれないのに、と思うのは傲慢だろうか。
人と人との間に生まれる気持ち、個人の気持ちをとても現実的に描く人だと思う。
そしてそれは自分の気持ちの感覚に近く、似ていて、もしかしたら同じ、なのかもしれないと思う。
そんなわたしの心に、言葉が次々とおりてくるのだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
白石一文
- 感想投稿日 : 2013年1月27日
- 読了日 : 2012年1月24日
- 本棚登録日 : 2013年1月1日
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