生贄のジレンマ<上> (メディアワークス文庫 と 1-3)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス (2010年9月25日発売)
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本棚登録 : 671
感想 : 52
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ゲームの設定に多少辻褄があわないのでは?と思うところもあったけれど、程よく楽しめた物語だった。
篠原純一を中心に物語は展開していくが、そこには目には見えない積み重ねられた「絆」が重要になってくる。
思い返すと、純一を助けようと動いた・・・もしくは助かってほしいと願った・・・人たちは皆、純一と教室外で個人的な繋がりがあった人物ばかりだ。
逆に言えば、それ以外の人物とは人間関係を積み重ねる時間を作ろうとしていなかったことになる。
追い詰められた状況下では、人は親しい人間から助けようとするのではないか。
担任教師が最後に会ったときに純一に告げた言葉が、そのまま人との関わることの大切さを示唆しているような気がした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス
感想投稿日 : 2017年2月16日
読了日 : 2017年2月16日
本棚登録日 : 2017年2月16日

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