たぶん結城は勘の働く優秀な刑事なのだろう。
犯罪を摘発するのに一課も生安もない・・・というのも理解できる。
だが、どうも結城の言い分が意固地なような気がしてならない。
一課への敵愾心が、物語のここあそこに滲み出ている。
だからこそ、リアル感のある物語だともいえるのだけれど。
そんなものどうでもいいだろう。
他の警察官が見過ごしてしまいがちなことに、結城の嗅覚は働く。
埋められていた年賀状しかり、ゴミ屋敷に投げ込まれるキャベツしかり。
そのくせ、部下の不始末の尻拭いをさせられるのでは?と怯えたり腹を立てたりと、妙に人間臭いところもある。
配属された「生安部」としての捜査。
ときに、それは他の部署からすれば行き過ぎに見えてしまうが、意に介さずに突っ走っていく。
結城の強みはそれをやってしまう行動力にあるのかもしれない。
上司の叱責を受けないように抜け道を探りながらの捜査は、なかなか面白かった。
結城というキャラクターはあまり好きにはなれなかったけれど。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
警察小説
- 感想投稿日 : 2017年3月11日
- 読了日 : 2017年3月11日
- 本棚登録日 : 2017年3月11日
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