硫黄島 栗林中将の最期 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋 (2010年7月20日発売)
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感想 : 19
5

『散るぞ悲しき』の完結編とみるべきかもしれないが、これ自身は独立して読むことも可能である。

5部構成で、ドキュメント1が『散るぞ悲しき』の補遺。ドキュメント2〜4はその余録。ドキュメント5は皇室とりわけ皇后陛下と戦没者たちをめぐるルポでこの本の白眉と言えよう。というか、皇室を巡るルポの中でも最も本質に迫る素晴らしい一編であろう。

いまさら硫黄島で何があったかは繰り返さないが、戦争とは何かとともに、兵士とは、軍人とは何だったのかを考えさせられる。著者はジャーナリストとして、『散るぞ悲しき』以上に抑制の利いた文章運びを心がけているのだと思うけれど、それゆえに涙があふれた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2014年1月19日
読了日 : 2014年1月19日
本棚登録日 : 2014年1月19日

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