コメディタッチのホームドラマなのだが、そのなかで繰り広げられるのは、帰還兵である祖父と息子と孫の三人家族の軍隊並みの厳しいドタバタ生活である。
その祖父が突然倒れ、病床でふと漏らした言葉。その言葉は、多くの兵士たちが口にしたくともできなかった一言であろう。戦後、多くの将兵が戦争や軍部を批判した。自分たちが非人間的な扱いを受けていたことを告発した。司令部の責任を問おうとした。
しかし、口を閉ざしたまま死んで行った多くの兵士たちの気持ちは、この老人と同じではなかったか?軍人として、兵士として、何を全うすべきだったのか?その一言がふと宮崎繁三郎中将と重なるのは言い過ぎだろうか。。。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2013年3月24日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年3月24日
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