山本五十六 戦後70年の真実 (NHK出版新書)

  • NHK出版 (2015年6月9日発売)
3.42
  • (4)
  • (7)
  • (9)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 111
感想 : 12
4

NHKがBS1で放送した「山本五十六の真実」を文書化したもの。堀悌吉の未公開であった資料を中心に、米側にもインタビューをした記録も記載されており、内容は深い。参考となった。
「井上成美は、兵学校の卒業成績順位と最終昇任階級の相関関係を統計分析し、0.506という数字をはじき出している。つまり、海軍大将への昇進の約半分の要素が、兵学校の卒業成績に影響されるというわけだ。あとの半分は、卒業後の約25年間の勤務実績や戦功によるものということになる」p28
「堀は、記録魔と称されるほど筆まめで、自らとその周囲の状況に関する詳細にして膨大な記録を残している。「堀悌吉自伝ノート」と呼ばれる自筆ノートや、きちんと保管された書簡・文書類で、本書のもととなった山本五十六関係資料も、その1つである」p29
「卒業生192名中の首席は堀悌吉。ライバルの塩沢は2位、山本は11位だった。ちなみに、吉田善吾が12位、嶋田繁太郎は27位だったという」p34
「山本は、昭和13年に制定された軍人傷痍記章の第一号を贈られている」p37
「(大角人事)伏見宮博恭王の威を借り、条約派の山梨勝之進大将、谷口尚眞大将、左近司政三中将、寺島健中将、坂野常善中将、堀悌吉などを一掃した」p101
「国雖大好戦必亡 天下雖安忘戦必危(国大なりといえども 戦を好めば必ず滅び 天下安しといえども 戦を忘るれば必ず危うし(「司馬法」の警句 山本がよく軸に書いた)」
「(ミッドウェー敗北理由)「(草鹿参謀長)驕慢(きょうまん)の一語につきます」。参謀長がそういうんだから、よっぽど機動部隊全体に驕慢な空気があったんじゃないでしょうか」p194
「(日本軍)失敗の教訓というものをきちんとした記録とか証拠物件を集めて残しておこうという精神は、およそないんじゃないでしょうか。その点、アメリカはものすごいですよ。徹底的にやりますから」p197

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年10月21日
読了日 : 2018年10月21日
本棚登録日 : 2018年10月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする