中国の脅威に向けた新日米同盟

  • 青林堂 (2022年6月17日発売)
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日本通の5人のアメリカ人研究者による、日本に対する安全保障上の提言書。日本に対しては、メディアや友好協会などを通じての世論操作をはじめ、中国による政治戦が既に始まっていること、中国は戦略的に覇権拡大を着実に進めていることを紹介し、日本の問題点と対応策を挙げている。アメリカからの視点は参考となった。

「中国の対日政治戦では「統一戦線」と総称される政治組織が大きな役割を果たしている。統一戦線を利用して中国共産党政府は日本国内において多大な影響力を行使している。統一戦線は日本の過激活動家や親中・反日的な運動を繰り返す、いわゆる「平和主義者」のグループの活動拠点となっている。中国共産党を母体とする「中国平和的国家統一推進協議会」の日本支部や「全日本海外中国人中国平和統一評議会」、「全日本中国平和統一推進中国評議会」、「日本海外中国人連合会」といった、日本で設立された中国平和的国家統一推進協議会の附属組織などが、日本国内における統一戦線の代表格だ。中国共産党が背後に存在する組織以外にも、「日中友好協会」、「日本国際貿易推進協会」、「日本中国文化交流協会」、「日中経済協会」、「日中友好議員連盟」、「日中協会」、「日中友好会館」などの日中間の文化交流を積極的に推進する友好団体も統一戦線である」p26
「(日本が中国の政治戦抑制に失敗した理由) ①脆弱かつ効果的でない防諜・スパイ防止法、②資金不足の防諜機関、効果のない秘密保持法、③外国人土地取得法、中国の工作員の追跡を困難とする帰化申請書類の雑な取り扱い、④外国人居住者・留学生・研究者の監視体制が不十分、⑤与党の多数派である自民党が内部で分裂している、与党である公明党が親中的」p54
「中国はすでに政治戦を開始しており、日本と沖縄の市民を弱体化しようとしています」p217
「私はインドを見捨てることはできません。彼らは中国を敵視しています。私はインドの退役将官に「インドは1962年以来、中国と戦争状態にある」と言われたことがあります」p222
「日本は、沖縄のキャンプ・コートニーにある第3海兵遠征軍ビルの隣に統合司令部を設置し、地域の統合防衛を組織・実行することである」p260
「日本が最も脆弱な分野の1つは、中国への経済的依存度である。日本が中国経済を切り離し、市場を多様化し、リスクを軽減することを強く求めます」p266

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感想投稿日 : 2022年10月10日
読了日 : 2022年10月10日
本棚登録日 : 2022年10月10日

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