あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(上) (MF文庫ダ・ヴィンチ)

著者 :
  • メディアファクトリー (2011年7月22日発売)
3.74
  • (88)
  • (147)
  • (124)
  • (23)
  • (7)
本棚登録 : 1481
感想 : 143
4

『コクリコ坂から』は大人向けの映画だった。
「東京オリンピック」「学生運動」「哲学」など
昭和の時代を感じさせるテーマに、大人たちがノスタルジーを
感じるために作られた映画。
学生運動をああいう風に扱っても懐かしがれる時期まで
来たんだろうと、そう思った。
(少し前までだったらきっと「あんな温くない」とか批判をするような勢いがまだ大人たちの胸の底にあったのかもしれない)
若い世代の僕らは映画を見ても「そんな時代もあったんだなぁ」
とかしか捉えられない、ある意味もったいない時代背景だと感じた。
(もちろん演出がどうこうとか、そういう方面でも批評はあるだろうけど)

アニメも何も見ずに読み始めた『あの花~』
これはゼロ年代と言われる僕らがまんまターゲットな作品だと思った。
不登校、高校デビュー、ポケモン、昔の恥ずかしいあだ名、
好きな子に告白できないで居なくなってしまうとか、そういうトラウマ願望っていろんな人が持ってるんじゃないかなーと思わせる。
まだ多くを生きていないゼロ年代をノスタルジーに浸らせる、
おそらくその意図は成功しているんだろう。活字でしか見てないけど、
読んでいてなんだか懐かしさがあった。
オチがダメらしいと聞いているので、下巻を開くのはちょっと怖いけれど、
発売したら読もう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2011年7月28日
読了日 : 2011年7月28日
本棚登録日 : 2011年7月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする