追悼ウィリアム・トレヴァー。何度再読したかわからない、読書人生を変えてくれた本。この1冊の中に何度読み返しても褪せない深みを湛えた短編たちが詰められている。わずかな頁の中に詩情豊かな筆致で綴られた、私たち人間の醜さ、愚かさと美しさ…話を読み終えた時に確かに感じる、そんな私たちの愚かさを包み込むようなトレヴァーの慈悲に充ちた眼差し…これまでの文学史に名を残してきた短編の名手たちと同じく、愚直に'ひと'を描き続けてきたトレヴァー。そんな彼の作品はこれからも本好きの人々の中で滔々と永遠に読み継がれてゆくだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年7月22日
- 読了日 : 2016年6月28日
- 本棚登録日 : 2016年2月11日
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