ドゥイノの悲歌 (岩波文庫) (岩波文庫 赤 432-3)

  • 岩波書店 (2010年1月16日発売)
3.84
  • (15)
  • (11)
  • (12)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 293
感想 : 17
3

最初に通読した際には、何やら手掛かりのないような心地で読み終えた。これは、全体の構造と構想を意識しつつ、メッセージや意味を捉えようとしたためだったかもしれない。
そのあと、註解に目を通した際、歌全体でなく、一節くらいのコンパクトな単位でいくつかの一部分を受け止めた。すると、なんとも、いかしたしびれる表現のフレーズの数々を再発見。
そのあと、再び、全十歌を再読したのであった。
( 例えば… ↓ )

***

「なぜなら美は怖るべきものの始めにほかならぬだから。」<一>

「おお、いつの日か死者の列に加わり、これらの星をきわまりなく知りえんことを。」
「思ってはいけない、運命は幼い日の密度よりゆたかだと。」<七>

「ああ、いつの日か怖るべき認識の果てに立って、」
 <十>

などなど…。
 なんともかっこよいではないか。
###

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学(古典)
感想投稿日 : 2020年11月3日
読了日 : 2020年10月28日
本棚登録日 : 2020年10月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする