新書521 全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書)

  • 朝日新聞出版 (2015年6月12日発売)
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「お金は寝かして増やしなさい」の著者、水瀬ケンイチさんと、「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」の著者、山崎元さんの共著。ほったらかし投資に最適な資産配分、リバランスの方法などが参考になった。

学んだこと
・この本で勧めているのは、国内株式:先進国株式=5:5の資産配分。これは4:6や6:4になっても大丈夫とのこと。おおらかな運用でよい。国内株式がETF推奨で驚いた。

・自分がどれくらいのリスクを負えるのかと考える際の、360という考え方が参考になった。例えば、65歳から95歳まで30年あるとする。この間の月数は360。そのため、360万円もっていれば、年金にプラス月1万余裕ができる。1800万ならば月5万。つまり、仮に1800万円損したとしても、月5万の余裕がなくなっただけだと考える。これは、気が楽になると思えた。そして、損しているのは1/3なので、投資金額は1800万✕3=5400万になる。

・しばらく動かす予定がないお金は、個人向け国債の変動金利・10 年満期型にいれるのがおすすめとのこと。水瀬さんは、毎月定期的に購入していて、残存年数が階段状になり平均5年くらいになっている。満期が分散し、資金繰りが管理しやすいし、購入時の利回りがならされる、信託報酬のような運用コストもゼロというメリットがある。購入検討してみたいと思った。

・確定拠出年金に、債権と株式を含んだバランスファンドは不向き。理由は、非課税メリットを最大化できないから。

・投資信託の基準価格は、購入時にはまだ決まっていない。

・「ETF」(Exchange Traded Fund)は、 上場した投資信託。主なコストは、「売買手数料」「信託報酬」 。買うときにも、売るときにも手数料がかかる。ETFの信託報酬は、インデックスファンドと比べると、圧倒的に低くなっている。

・投資信託は、信託報酬以外にも「その他手数料」がかかっている。

・一般的に、 投資信託は100億円の純資産があれば安心 といわれているが、単独で運用されているTOPIX型のインデックスファンドの場合、やや足りない。少なくとも100億以上が推奨。ファミリーファンド方式であれば、比較的安心。

・年に1回はリバランスしよう。水瀬さんは、できるだけ買い増しをする「ノーセル・リバランス」をして税金が引かれることを防いでいる。もちろん、自分の資産を考えて行うこと。

・水瀬さんのバイ&ホールドを続けられる理由の1つは、「資本主義経済の発展を信じているから」 。
2つめは、「自分のリスク度の範囲内で投資しているから」 。最初に立てたアセットアロケーションで、最悪どれくらいのマイナスになるかを考えている。私も、ある程度予想しなければと思った。
3つめは、「自分の感情は間違えることを知っているから」 。どんなに不安になって売りたいと思っても、合理的な理由がなければ売るべきではない。

・将来の売り方。「お金が必要になった時に、「躊躇なく」必要な分だけ売ればよい」。必ず儲かるような「うまい売り方」は存在しない。特に、自分の買値よりも安い基準価額であっても、淡々と売ることができるような心がけが大切。

・自分のリスク許容度の範囲内で投資をするのが大前提。リスク許容度が下がったら、それに合わせてアセットアロケーションを変更する。具体的には、株式クラス(日本株式・先進国株式・新興国株式など)のインデックスファンドを適当分売却し、同じだけ、個人向け国債(変動金利 10 年満期型)など債券クラスの商品を購入すればよい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年5月6日
読了日 : 2020年5月6日
本棚登録日 : 2020年5月6日

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