戦後少女マンガ史 (ちくま文庫 よ 19-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (2007年8月1日発売)
3.53
  • (7)
  • (9)
  • (17)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 165
感想 : 16

30年前の1980年に前後の少女マンガ全体を通史としてまとめた評論
つまり扱っているのが30年分くらいでそこからここまでと同じくらいある
にも関わらず未だこの評論のほかに少女マンガ全体を扱った評論が存在しないことがこの評論のえらさを示す
いまだここ30年の少女マンガ論がないのは
ひとつには少女マンガということの指すものが幅広いからだろう
少年の上世代は青年だが少女の上世代を指す言葉はない
個人的には『はいからさんが通る』(ライトノベルならもちろん『ジャパネスク』)こそ「少女マンガ」なのだが
では「りぼん」(少年向けなら「コロコロコミック」)が「少女マンガ」でないといえば違うし
(現在進行で描いているという意味で)吉田秋生作品もまた「少女」のマンガに違いない
少年しこうの典型が誰かを必要としない「最強」のみにあるのに対して
少女しこうはファンタジーを必要とするからこそいるのは現実である

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年1月10日
読了日 : 2010年3月12日
本棚登録日 : 2018年10月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする