こなん君が見た4日間の夢・・・
母の49日法要で実家のある九州に戻った館シリーズおなじみの稀譚社の編集者河南孝明。その法要の席で親戚から熊本の山奥に「暗黒館」という奇妙な建物があり、しかもそこではいくつもの忌まわしい出来事があり、あの中村青司も一枚噛んでいたらしい、と聞かされる。青司ときいて出かけずにはいられなくなった孝明。担当の作家・鹿谷に留守電を入れ、レンタカーでやってきたが・・
・・まったく忌まわしい出来事が館では起こっていたのでした。しかし、忌まわしすぎませんか・・ 今回は館の設計のおもしろさよりは物語の設計の方が印象が強かった。留守電を鹿谷がきちんと聞いてくれてよかった。最後に駆けつけてくれた時にはほっとしました。最後の最後が、この本の、このシリーズのといっていい、あっと驚く落としどころ。
分厚い本。シリーズ7作目ですが、館シリーズ全9点をこれを最後に読み終えました。最後でよかったです。というのも、この「暗黒館」にはシリーズで出てくる鍵となるものがほとんど出てくるのです。
この「暗黒館」には、十角の塔があり(そこに登った孝明は落ちる)、「水車館」の藤沼一成の絵が3点も掲げてあり、「迷路館」の宮垣葉太郎の処女作のサイン本があり、「時計館」の古峨精計社の時計があり、黒猫の剥製があり、さらにこの後の作品となる「びっくり館」のおもちゃの蝶が飛び出すびっくり箱があり、「奇面館」の不名誉の仮面があるのです。
上記の「所蔵品」が出てくると、おお、という感じでした。最後に中村青司の年表が載っています。これは読み終わるまで見ないで。
「IN★POCKET」2000年3月号~2001年3月号、5月号~11月号、2002年1月号、2月号、4月号~8月号、10月号~2004年5月号に連載。単行本化にあたり加筆修正。
この新書版のカバーデザインは京極夏彦さん。プラス図版作成が小野不由美さん。系図とか家の設計図ですかね。
2004.9.5第1刷 2004.9.27第2刷 図書館
- 感想投稿日 : 2022年3月4日
- 読了日 : 2022年3月4日
- 本棚登録日 : 2022年3月4日
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