シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2012年2月29日発売)
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ミとドとラという呼び名の少女の物語が導入、そして顔と手にやけどを負い包帯でミイラのようになった、わたし、の独白。5,6歳からの記憶が無くなっているらしい。名前はミシェルだという。・・少し読むと、これはなりすましの物語か? 飛行機事故での整形なりすましの「コピー・フェイス」をちょっと思い浮かべる。しかしなりすましって最後はうまくゆかないんだよなあ、と思いながら読み進める。そして現れる後見人女性ジャンヌ。中ほどで、ああこの二人の陰謀ね、となるが、しかし最後に「シンデレラの罠」の意味するところが記され、するとわたしはミなのかドなのか? 

一番印象的なのはミとドとラという呼び名だった。ミシェル、ドムニカ、アンジェラ。犯罪の原因は遺産というよくあるもの。だが語り口が引き込まれる。



著者のセバスチアン・ジャプリゾの説明が無いので調べると、なんと「新車の中の女」の著者。これは翻案ドラマで浅丘ルリ子が印象的だった。ほとんどの著作が映像化されている。このシンデレラの罠も1965にフランスで映画化。
ほかに「さらば友よ」1968 「雨の訪問者」1970 など。

セバスチアン・シャブリゾ:1931-2003 フランス。1950年ソルボンヌ大学在学中に純文学的な "Les Mal partis”でデビュー。


1962発表 フランス
2012.2.29初版 図書館

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・ミステリー 海外(英米以外)
感想投稿日 : 2023年8月11日
読了日 : 2023年8月10日
本棚登録日 : 2023年8月10日

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