三浦さんの作品はすごくシンプルで一直線だと思います。この作品も三浦さんにしては少し暗い感はありましたが(何より素材が重いですから)、他には何も考えないでお話と向き合うことができました。そこは相変わらずです。
親に愛され何ひとつ不自由のない主人公の女子高生。そんな彼女に気になって仕方がない人がいる。それは彼女のクラスの担任の先生でした。先生に振り向いてもらいたくて意地悪してしまうけどそれは愛情表現の裏返りのようなもの。やがて二人は体の関係を持ってしまうものの、実は先生の彼は大きな秘密を抱えていたのです。果たしてそれはー。
禁断の恋、DV、そして彼らをまつわる十何年前のある事件。話のテーマは前述のよう軽く触れられない素材ばかりですが、三浦さんの特有のシンプルさのおかげで話がすうっと入ってきました。ある意味では重くならなくてはいけない話を軽くしてしまった、彼らの苦痛などちっぽけも感じられない、という感想もあると思いますが、あくまで少女漫画ですから。わたしには三浦さんの一直線な物語の進め方がむしろ直球できました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
講談社
- 感想投稿日 : 2011年3月26日
- 読了日 : 2011年3月26日
- 本棚登録日 : 2011年3月26日
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