遊里の旋風-大富豪同心(5) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2011年4月13日発売)
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感想 : 17
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大富豪同心シリーズ5作目。
今回の舞台は吉原です。
そうです、卯之吉が大好きな遊蕩の地。

お忍びで遊びに来ていた内与力の沢田氏。
下手人にされそうになって、咄嗟に思いついたのが卯之吉のこと。
この方、卯之吉を同心にする為三国屋の爺様に丸め込まれた人。
当然卯之吉の正体を知っている数少ない一人なのでした。
ところが、卯之吉にしてみれば粋な若旦那として顔が売れているので、
絶対に同心姿ではウロチョロできない。
という訳で、本筋の捕り物とは別にドタバタ有ります。
もちろんそこは苦労知らずでマイペースな卯之吉ですから、
周囲のヤキモキを余所に、吉原を満喫してるのが笑えます。
心の中で卯之吉に突っ込む幇間銀八のぼやきとかも笑えます。

吉原の中は縄張り違いなので三右衛門親分は手が出せません。
でも、大丈夫。
吉原独自のシステム四郎兵衛番所の男衆や女郎のお姉さん達が、
またまた卯之吉を良い方に誤解して、みんなしてお手伝いしてくれます。
美鈴さんはやはり頼もしい剣の腕前だし。
吉原で顔見知りの遊蕩仲間が、
実は寺社奉行所の大検使(町奉行所での与力にあたるらしい)なんて、
何処までも広がるよ、やり手同心の人脈が・・・。
本人にその気がまるで無いのに。

前回の捕り物で逃げ延びた盗人一味の一人が、
卯之吉の正体に気付いたりと、次回も波乱の予感です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年2月8日
読了日 : 2014年2月21日
本棚登録日 : 2014年2月8日

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