大富豪同心シリーズ11作目です。
湯船を盗むってどゆこと?と思いましたが、
卯之吉も分からなかったので企みに乗っかってみたら・・・、
という話でした。
内容紹介によると、
あの卯之吉が遂にやる気を出したかのようですが、
そんなことは全然ありませんでした。
卯之吉はやっぱり卯之吉、極楽トンボでした。
被害者が知り合いだったこともあり、
好奇心も手伝って首を突っ込んだはいいが、
寒いだの何だのですぐにへこたれるし、
周りの空気を読まずに遊蕩に走るし。
卯之吉の本性を知っている美鈴様や銀八と遊蕩仲間が、
その度に袖を引いてフォローしてます。
まあ、そういうところがこのシリーズの面白いところです。
美鈴様が卯之吉とその祖父三国屋徳右衛門のやり取りを見て、
何だかなぁ・・・と思う場面がありましたが、
読者もまさにそんな感じを味わってニヤリとするのです。
与えられた同心という身分に自覚の無い卯之吉と、
卯之吉を同心にした張本人にも拘らず、
孫なのに上座に据えて本気で有難がる徳右衛門。
切れ者同心という巷の噂に感激しまくり、
武士を武士とも思わない業突く豪商がドケチに有るまじき散財っぷり。
卯之吉は良く言えば安楽椅子探偵ですね。
周囲の皆さんが奔走してくれた結果を、
最後につなぎ合わせて美味しいとこ取り。
最後に逆恨みされてまた敵も増やしてしまいましたけど。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年2月8日
- 読了日 : 2014年3月27日
- 本棚登録日 : 2014年2月8日
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