『フロア』は、タワーマンションが舞台の極上サスペンス。
豊洲にある高級タワーマンションの内廊下。プライバシー重視のホテルライクな空間では、住人たちは息をひそめ、それぞれの存在を消しながら暮らしている。だが本当はだれもが隣人を意識し、玄関の覗き穴からお互いを監視しては妄想を繰り広げる倒錯した空間である。ある日、そこで事件が起き、それまでまったく関係を持たなかったマンションの住人たちの本性と欲望があらわになっていく。自転車のハンドルにセットされたカミソリで傷つく幼児、予告なしで玄関に届けられたイエローカード……仕掛けたのはいったい誰!?
ごく普通の住人たちのごく普通の行動が、それでいて隣人にとっては常軌を逸した行動に見えてしまう、生々しいリアリティをもって描かれています。
著者の根本起男さんは、恐ろしくもどこか滑稽な人間の本性をつまびらかにする筆致に定評のある作家です。『フロア』はまさにその真骨頂!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年9月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年9月17日
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