クオンタムユニバース 量子

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016年6月16日発売)
3.71
  • (5)
  • (1)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 87
感想 : 6
3

一般向けに難しい数学を使わずに量子力学を説明する本です。最初の方で古典物理学を踏まえた上でのラザフォードのα線の散乱実験の話と、有名な二重スリット実験の話が出てきますが、その後わりとすぐに「粒子は複数の場所に同時に存在する」ということを受け入れるところから始まって、この考えをベースに量子力学的な現象の説明をしていきます。

波動関数を使わないといけないところでは、波動関数を時計で表して説明するのですが、これが分かりやすいのか分かりにくいのかイマイチよく分からないです。あと、これもKindleで読んだので、数ページ前に出てきた図面を参照しようとページを前荷戻すと、いま読んでるところがよく分からなくなるという事態に何度も遭遇しました。こういう本はKindleではなくちゃんと紙の本で読んだ方がいいですね多分。

中盤は時計のモデルを使った抽象的な説明が続くのですが、最後の方で、量子力学の最も有用な応用であるトランジスタ(半導体)の説明があったり、ヒッグス粒子の説明があったり、おまけでチャンドラセカール限界の計算をしてみたり、トピックの振れ幅が大きいですが量子力学的な考え方に触れるにはまあまあ面白い本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月23日
読了日 : 2024年2月20日
本棚登録日 : 2024年2月20日

みんなの感想をみる

ツイートする