剣は湖都に燃ゆ: 壬申の乱秘話 (文春文庫 く 1-29)

著者 :
  • 文藝春秋 (1993年1月10日発売)
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本棚登録 : 65
感想 : 9
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壬申の乱で勝利し、天武帝となった大海人皇子。
一度は都を追われ吉野の山奥に隠遁した彼が、見事に復讐を遂げ、返り咲いた影には、優秀な部下たちと地方豪族等支援者の存在が不可欠でした。

そんな歴史の影に埋もれていた人物たちにスポットライトを当てて、架空の人物を交えて描かれた短編集です。

中でも、書首根麻呂と山人族の酋長の娘:よねの恋愛を描いた「黄泉の国は春の地に」で、マジ号泣してしまいました。
「天の川の太陽」でもサラッと触っていましたが、こんな結末だったとは。黒岩氏のロマンチックすぎる解釈に、涙涙です。
本気で根麻呂のお墓を参ってみたくなりました。

同じく大海人皇子の舎人たちの暗躍を描いた短編集「影刀」もおすすめです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史小説
感想投稿日 : 2009年12月20日
読了日 : 2009年12月15日
本棚登録日 : 2009年12月15日

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