浮遊霊ブラジル

著者 :
  • 文藝春秋 (2016年10月24日発売)
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本棚登録 : 893
感想 : 133
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’21年9月14日、読了。津村記久子さん、4作目。

素晴らしかったです!以前の3作も全て、ですが。

中でも好きなのは、「給水塔と亀」、「うどん屋のジェンダー、またはコルネさん」、表題作「浮遊霊ブラジル」あたりかな…。

「給水塔と亀」…川端賞受賞作。いかにも川端賞らしい小説、と感じました。淡々と綴られる日常の中に、確かな輝きがある、みたいな。
川端賞には思い入れがあって…三浦哲郎さんの「じねんじょ」を読んで打たれて、もう20年以上前かな?当時の歴代の受賞作の初版本を、神田神保町をめぐって、集めてました。全部ではないけれど、今でも本棚に収まってます。読了済みの受賞作は、殆ど好きで…僕の大切な読書経験になってます。本作も、その一つに加わりました。素晴らしい!

「うどん屋の〜」…収録作の中では、なぜか(?)一番好きかも。僕には、本作中で、「一番津村さんらしい」と、思えました。

「浮遊霊ブラジル」…何故か、カーヴァーの「大聖堂」を思い出しました。奇跡のような物語が綴られていますね!

図書館で借りて読みましたが…これも、初版本を、コレクションに加えて、繰り返し、味わいたくなりました。津村記久子さん、次は何を…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館で借りた本
感想投稿日 : 2021年9月14日
読了日 : 2021年9月14日
本棚登録日 : 2021年8月11日

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