「女性の仕事をテーマにしたアンソロジー」という編者の三宅香帆さんに関心があり、読んでみました。
選ばれた7編の物語に共通するのは「女性と仕事」
描かれた時代がそれぞれ違うので、価値観やものごとの見方がそれぞれの作品で大きく違うことに気が付きます。
それは「古い時代や価値観」「現代のそれ」を超えて共通する「女性が働くこと、その人なりの居場所を見つけること」に一本の線があるように思います。
自分的荷は、綿矢りささんの「こたつのUFO」で描かれた「もの事を生み出す紋々とした時間」に共感を持ったり、有川ひろさんの「ファイターパイロットの君」に描かれた「覚悟と責任」を強く背負う女性に敬意を感じます。
でも本書の主役はやはり編者の三宅香帆さん。
彼女のセレクトと7編の構成方法に非常に惹かれます。
時代の変化や、スピード感の緩急をつけた「アンソロジー」に「小説の新しい楽しみ方」を教わった気持ちになります。
大ベテランの女性作家7名の深みのある物語と、それをセレクトした若き書評家、三宅さんのセンス。
とても楽しい一冊でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年10月1日
- 読了日 : 2023年10月1日
- 本棚登録日 : 2023年9月16日
みんなの感想をみる