サラダ記念日 (河出文庫 227A BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社 (2010年8月3日発売)
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「人生はドラマチックなほうがいい」ドラマチックな脇役となる

我が髪を三度切りたる美容師に「初めてですか」と聞かれて座る

上の歌なんかは読んでいてドキッ、となった。こういう自己の他人から見た他者性みたいなものを掴むのが上手いなと思う。基本的には自分の人生は自分のものだけど、ふいに他人から見た自分のことを思って、何となく微妙な気持ちになる。その気持ちを上手く掴んでいるというか、何というか。

明るい。そしてシンプルでわかりやすい。俵万智以前にも口語短歌はめちゃくちゃ存在していたらしいんだけど、この「等身大な短歌」を発明したのが偉い。特に韻文って、長年の日本文化の継承がどうたらとか、正直その衒学性みたいなものが癪に触ったりもするし、玄人しか寄せ付けない感じがなんかイヤ〜に思えたりする。それを上手く取っ払ってる。

歌としては、助詞とか、吾とか、完全には口語とは言い切れない言葉も多分に含んでて、意外とそういう感じなんだ、って思った。伝統と新しさを上手く取り合わせている。サイコ〜。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年8月7日
読了日 : 2021年8月7日
本棚登録日 : 2021年8月6日

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