世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド

著者 :
  • KADOKAWA (2020年5月28日発売)
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仕事として「やりたいこと」の見つけ方がとてもわかりやすく説明されている良著。

著者の「自己理解メソッド」を簡単に言うと

1.好きなこと (何を what)情熱
2.得意なこと (どのように how)才能
3.大事なこと (なぜしたいか why)価値観

この3つが重なる部分こそ、「本当にやりたいこと」
というもの。

それぞれがしっかりフレームワークとして定義されていて、確かに思考の整理に役立つ。

いわゆる自己啓発モノの中には理論が乱暴だったり偏向や不足していたりするものも多いので、理解の深さは読み手の力量に寄るところも大きい。その点、本書では思考の思い込みを外す説明もあるので、丁寧にワークを進めれば、きっと多くの人が他書よりも深い自己理解の領域に進めるような気がしました。


ただ、気になったのは
好きなこと、得意なこと、大事なこと。この「本当にやりたいこと」のセットが"複数"ある人は、どうすればいいのか?
この点に対するフォローが欠けているように思った。

著者も社会は変化に富み、生き方はしばられず、大事なこと(目的)のためにやりたいこと(手段)は変化するものだと述べているし、大事なこともひとつではない認識だと思うのだが。
…次回作以降ということなのだろうか。

複数「本当にやりたいこと」のセットがある人というのは、複数好きなことも得意なことも大事にしている価値観もあるという人なので、本来才能豊か=社会的には少数な存在、に違いないと思うのだが、意外と多くの人がこのレベルまできて悩んでいるような気もする。

複数のセットの中から「何を"今"やるのか(あるいは同時並行でやるのか)?」の選択判断基準や、マネジメント方法についてまで整理するのは大変かもしれないが。著者の分析、説明能力の高さに期待したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年11月14日
読了日 : 2020年11月14日
本棚登録日 : 2020年7月16日

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