ゴーストハウス

  • 理論社 (2007年5月1日発売)
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本棚登録 : 207
感想 : 20
3

『ゴーストハウス』
とにかく暑い。毎日。毎日。
私はあまり怖い本を読まないが、なんとなく涼しくなりそうで、特設コーナーに目を向けた。

まず表紙に引きつけられた。イラストを担当されたのは、七字由宇(シチジ ユウ)さんというそうだ。
子供のような絵、タッチなのに、計算されつくした歪み。怖い。
作家は知らない名前だが、手にとってなじむ単行本サイズ。読んでみようかなとめくった黒一色の表紙裏に

ぼくたちが見えるの?

と一行だけ。
ひえーーーー‼︎である。たち、ということは複数なんだろうか。ゴーストハウスということは、館モノか。これは、、涼しくなれそうだ。


そんな感じで図書館から連れて帰りましたが
結論からいうと、思ったほど怖くはなかったです。

幽霊モノとして怖い、というよりも母親の狂気が先立ってしまって。幽霊だから怖い、が薄らぐ謎展開。私だけかもしれませんが。

子供たちと主人公との絡みがいつ始まるかと期待しながら読み進めましたが、ほぼ絡まない不思議な構成のまま物語は別の展開(主題と回収)をみせて終了します。
好き嫌いわかれるかもしれないです。

幽霊が「風」に物理的に流され、かなり動きに制約をうける、 死んだ後の世界が「天国か地獄」とは微妙に違う類のもの、 といった設定は珍しいのかな。幽霊モノが好きで、一風変わった物語を読みたい方にはいいかもしれません。


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後半の展開。母親がアレから逃げ回るくだりであんなに元気(飛び出していく)だったのかが納得できず、個人的には星2。表紙が良かったので、もうひとつプラス。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月22日
読了日 : 2020年8月22日
本棚登録日 : 2020年8月22日

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