「怒り」がスーッと消える本―「対人関係療法」の精神科医が教える

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  • 大和出版 (2011年5月10日発売)
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○怒り=悪い感情 ではない
熱いものを触ったとき反射的に手を引っ込めて火傷を防ぐことと同じように、怒りを感じることは「何らかの対処が必要な問題がある」ことを教えてくれる機能。したがって、怒りを感じたときにするべきことは問題に対して適切な行動をとることだけ。なぜ、自分が被害にあって怒っているのに適切な対処までしなきゃいけないのか?と思うのは当然だが、怒りによって損をするのは相手ではなく自分なので諦める。腹が立って仕方がない!という時には「誰が悪いのか」ではなく「自分は何に困っているのか」を考える。

○人を怒らせない
相手に対する「評価」は怒らせる原因となるので絶対にしない。改善してほしいことがある場合にはその「行動」だけに焦点を当てて話す。反対に、自分が評価されて傷ついたときや怒りを感じたときは受け流す。評価とは所詮相手の領域の中で勝手に下されたもの。「ふうん、そう思うんだ」と言っておけばよい。また、例えばデートの約束をドタキャンされたとき、「埋め合わせは必ずしてもらうからね」「ドタキャンはこれで最後にしてよね」と「要求」するのは危険。相手までムカッとしてしまう。相手の領域に侵入して行動をコントロールしようとする発言はやめ、「近いうちに会えると嬉しい」と自分の気持ちだけを伝える。

○怒らないコツ
「おまえが俺を怒らせた」などという人がいるが他人を怒らせることなどできない。きっかけを与えることはあっても、あくまでも怒っているのは本人。「粗末な扱いを受けた」と感じても、実は自分が勝手にそう思い込んで怒りを感じているだけかも?被害にあったと感じたときは「そう断言できるほどの証拠がそろっているか?」と考える習慣を身につける。確信できることなどほとんどないのに勝手に相手の行動の意味を想像して勝手に怒っていることも多い。

○怒りを感じにくい生き方
人生全般を「やらされている」という被害者モードで生きていると怒りを感じやすい。机を整頓するとか靴を揃えるとか、ちょっとのことができないくらい気持ちに余裕がなかったら注意。散らかった環境の被害者になるのではなく、「まあすぐには綺麗にならないけど使ったものくらいは片付けよう」と主体的に生きている感覚を取り戻すと、人生を自分でコントロールできていると感じ、怒りを感じにくくなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月29日
読了日 : 2019年9月29日
本棚登録日 : 2019年9月29日

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