他者を感じる社会学 (ちくまプリマー新書 363)

著者 :
  • 筑摩書房 (2020年11月7日発売)
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本棚登録 : 299
感想 : 19
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柔よく剛を制す!柔軟に考えることこそが、差別との理想的な向き合い方であることを学べる本です。
で、「差別をなくそう」ではなく「差別を考えよう」というのが本書の最も言わんとすることではないかと思いました。「差別をなくそう」だと、自分の中にある差別の芽は「人としてありえないこと」ということになる。それだと自分が何を「普通」と感じ、何を「異常」として感じるのかを掘り下げられない。そして、当事者であるという事実から逃避する結果を招いてしまう。そうではなくて、差別は誰でもやっちゃいがちなんだ、だから自分はどんな種類の差別をしちゃいがちなのか考えて、時々、「誰かの足を踏んづけてないかしら?」って気にしながら生きていきたい。
たぶん、倫理的とか道徳的っていうのは、そういう絶え間ない努力のことなんだろう。
とりあえず、クレヨンしんちゃんの映画とパッチギ!を観てみよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年12月27日
読了日 : 2020年12月27日
本棚登録日 : 2020年11月25日

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