安倍政権とその支援者から徹底的に嫌われていた東京新聞社会部の名物記者、望月衣塑子氏の主張をちゃんと読んでみよう、と思い立って読んでみた。
結論としては、とてもまともなジャーナリストで好感を持った。「記者クラブ」の排他的体質や、アクセス・ジャーナリズムが権力に取り込まれる危険性も、具体例を通じて、ひしひしと感じた。
アメリカ礼賛の意図はないが、権力とジャーナリズムの緊張関係は、アメリカの方が100倍くらい高い、という共著者ファクラー氏(元ニューヨーク・タイムズ東京支局長)の指摘は、意外だった。
権力寄りで有名なFOXニュースですら、ジャーナリズムそのものが攻撃を受けていると感じれば、攻撃先がCNNであっても共闘するのだそう。
共著者の中の元文科省事務次官、前川喜平氏のパートは本の作り上、無い方が読みやすかったと思う。どうしても、『新宿の出会い系バー』にフィールド・ワークに行ってました、というとても苦しい答弁が頭にあるので、主張が全く頭に入ってこない。「時の政権に嵌められた」的主張をしているが、反政権的意図のジャーナリズムを使って、苦しい反論を試みた、という印象なので、どうしても、政治・行政と一部ジャーナリズムの癒着・もたれあい、という本著の攻撃先が獅子身中の虫っぽい感じで取り込まれてしまっている印象だ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月24日
- 読了日 : 2024年2月23日
- 本棚登録日 : 2024年2月17日
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