山本五十六(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1973年3月1日発売)
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真珠湾奇襲前の宣戦布告が外務省の手落ちで事後となってしまった点は、戦争の大義を巡る世論戦争上、如何にも勿体無い。

山本五十六の、好戦的な幹部へ自重を求める文章(敵国の首都を制圧する計画が立てれないような戦争はすべきではない、それだけの覚悟もなく軽々と威勢の良いことを言うな、との主旨)の一部が切り取られて公表され、『山本はワシントン制圧を目指す超好戦的な軍人だ』という誤った人物像がアメリカ側で持たれてしまったことも、広報部の思慮が足りず、結果論かもしれないが、これまた如何にも勿体無い。

戦後処理を山本五十六に期待する声もあったようだが(石橋湛山)、軍政面は、米内光政がいたからまだよかったのかなと思う。軍令面では、後を継げるひとはいなかってようだし、仮に山本五十六本人がブーゲンビルで撃墜されずに生き残っていたとしても、日本の敗戦は開戦時に確定していたのだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年1月4日
読了日 : 2023年1月4日
本棚登録日 : 2022年12月17日

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