半島を出よ 上 (幻冬舎文庫 む 1-25)

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年8月1日発売)
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本棚登録 : 4557
感想 : 327
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垣根涼介さんの「ワイルド・ソウル」の文庫本解説の中で宮沢和史(THE BOOM)さんが激賞していたので読んでみた。

上巻を読んだとき、丁度福岡に帰省中だったので、北朝鮮特殊部隊が福岡市を占拠するという設定にはドキドキした。(中高生の時、ラジオの周波数を弄っていたら時々韓国語が入ってきていたのを思い出した。)

北朝鮮内や日本上陸後・福岡占拠後の暴力・拷問のシーンは、読んでいるだけでも憂鬱になる。圧倒的な暴力にはひとの精神は簡単に屈してしまうのだと身に染みてしまった。

登場人物が非常に多く、巻頭の登場人物表を頻繁に参照しながら読んだ。よくこれだけたくさんのひとを描き分けられるものだ、と村上龍さんの筆力には脱帽だ。中でも西日本新聞社の横川記者が魅力的だ。

政治家と官僚の動き方は、妙にリアルで、本当に他国の軍事侵攻が起こればこうなってしまうのではないかと思ってしまった。

舞台設定は、2011年春。(初版は2005年)
実際に起きたのは、北朝鮮軍事侵攻ではなく東日本大震災だが、政治家と官僚の動きは殆どこの本と同じだったのではないかと想像した。

下巻が楽しみだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月6日
読了日 : 2024年1月5日
本棚登録日 : 2023年12月23日

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