若い読者のための第三のチンパンジー: 人間という動物の進化と未来

制作 : レベッカ・ステフォフ 
  • 草思社 (2015年12月12日発売)
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本棚登録 : 347
感想 : 33
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ジャレド•ダイアモンドの本であることは間違いないのだけど、別の人『レベッカ•ステフォフさん)の編著なので、既刊本の総集編的な部分が結構ある。が、面白く読めた。モト本の「人間はどこまでチンパンジーか?」が未読だったからだろう。
以下の箇所が一番印象に残った。

P223
言語が少なければ世界中の人びとが意思を交わしやすくなるので、消滅はむしろいいことなのではないのかとも考えられる。そうかもしれないが、ほかの面ではまったく望ましくはないのだ。言語はそれぞれ構造や語彙が異なっている。感情や因果関係や個人的な責任をどう表現するかという点でも異なる。人間の思考をどう形づくるのかという点でも言語によって異なる。だから、この言語こそ最善だというひとつの言語は存在しない。そのかわり、目的が異なればもっとそれにふさわしい言語が存在している。言語が死に絶えてしまうとは、かつてその言語を話していた人たちが抱いていた独自の世界観を知る手段さえ失ってしまうことになるのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年11月14日
読了日 : 2020年11月14日
本棚登録日 : 2020年10月31日

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