メディア論としては比較的言い古されたことが多く並んでいるが、現代的なケースが多く出ているので面白く読み進めることができた。
メディアは洗脳という論法は古くからあるが、日本人の価値観形成にもなるほどと頷ける説明がいくつかある。
空気を読めなくてはいけないのか、スケジュールが埋まっているのはいいことなのか、友達がたくさんいるのはいいことなのか、誰かが麻薬をやれば一斉に叩く、確かにこれらの価値観はメディアによってもたらされている。
しかし以前よりは多様化したのではないかとも考えている。一昔前であれば車を持たない男は男じゃない、家はいつかは必ず買うものだ、子供は必ずつくるもの、という価値観は現代では崩れている。しかしこの本の指摘するように時代の風がなびく方向はあり、メディアがそれを決めているように思える。筆者はそこにテレビを挙げたが、テレビの形成した価値観は一昔前のもので、今ではどれほどの影響力を持っているのだろう?「日本は」とひとくくりに書かれているところを少し時間軸でも掘り下げてみて欲しいと感じた。
まあ、研究本では無いのでさらっと読むには十分な内容だと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自己啓発
- 感想投稿日 : 2010年7月10日
- 読了日 : 2010年7月10日
- 本棚登録日 : 2010年7月10日
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