忍びの卍 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫 や 3-112 山田風太郎ベストコレクション)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年12月25日発売)
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本棚登録 : 138
感想 : 17
5

かなりエロくて、悶々としながら読んだ。

これまでに読んだ「甲賀忍法帖」「魔界転生」に較べると登場人物はぐっと減ったけど、その分濃密なバトルと心理戦が読めて充実の一冊でした。

伊賀、甲賀、根来それぞれの忍者が使う術はどれも女の体を道具にした奇想天外で卑猥なもの。
その忍法合戦も面白かったけど、その裏に張り巡らされた権謀術数も読み応え充分。
本当の敵は一体誰なのか。
それぞれの忍者の行動に隠されていた真意が明かされるラストにはやられた。

どんなに超人的な技を身に着けても所詮は権力の道具として使い捨てられる、それでもそこにアイデンティティーを求めるしかない忍者たちの哀しい宿命が肌に感じられた。

大満足の一冊!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2013年8月3日
読了日 : 2013年7月31日
本棚登録日 : 2013年7月29日

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