猫の傀儡(くぐつ)

著者 :
  • 光文社 (2017年5月17日発売)
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感想 : 76
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西條 奈加作品。3作品目。

江戸、猫町のミスジは傀儡師となって、傀儡の阿次郎を使って依頼をこなす、連作短編集。

壱、まず暇であること。弐、察しと勘が良いこと。参、若い猫並みの数寄心をもち合わせていること。肆、何よりも猫が好きなこと。
ご存じ、傀儡四箇条です。私には、弐参が微妙かな。ウチの猫の言いたい事すら判らないからなぁ。まぁ、ウチは俗にいう”マンション猫”のため、集会にも出なければ、傀儡師にもならないと思うけど、、、

傀儡師のミスジと阿次郎のやり取りが傑作です。上手く傀儡を操るところは、さすが!と感心してしまいました。猫と人間の関係って、本来、こうありたいものです。一番大事なのは、「壱、まず暇であること」が、悲しい。

『三日月の仇』:動物に残酷なことをする子供の話。どの時代でも、心に溜まっている子はいるとは思うけど、やっぱり悲しいね。動物に復讐された子が、憎悪を膨らませたまま大人にならなきゃいいけどと、願う。だけど、最悪の場合は、「猫の祟り」にお願いすることになるのだろうなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月3日
読了日 : 2021年11月30日
本棚登録日 : 2021年11月26日

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