海生(かいせい)は、四つ年上の兄、光一(こういち、ピカ一)と同じ啓光学院を受験するも失敗。地元の南鎌倉中学に通始めたが、3年後の啓光学院高等科の受験が頭の上にのしかかり、憂鬱な日々を送っている。兄は文武両道、勉強もトップでテニス部のエースでキャプテン。友だちが多く、人目をひく容姿。いつも比べられてきたような気がしている。
そんな海生に、大好きなおじいちゃんの急死というサイテーの知らせが届く。おじいちゃんとヨットで海にでるのが大好きだった海生は、とうとう自分の気持ちをもてあまし、家出を決意する。
父、母、兄(光一)、祖母
ウィスカー(テリア)
田明(でんめい) 同級生 剣道部
八千穂(やちほ) 田明の妹
風間譲(かざまゆずる)
鎌倉あたりの地名と、木製のA級ディンキー(=ウインドシーカー)、アイオロス号
ヨットの操縦言葉や各場所の名称など、どれも興味はつきない
P278“自分が、何であり何でないか”
“我々でないもの、我々ががならなくてもいいもの”
P「・・・おまえは、おまえ以外の人にはなれないんだ。」
The Why Of The Wind by Laura Riding
我々は、もっと知らなければ、
自分が何であり何でないかを。
我々は、風ではない。
さすらいのきままに惹かれる、
きまぐれな心境でもない。
もっと、はっきり見分けなければ
我々と彼との違いを。
“我々でないもの”は、たくさんある。
たくさんある。
“我々が、ならなくてもいいもの”は、たくさんある。
http://en.wikipedia.org/wiki/Laura_Riding
そうなんだ。ぼくらは風ではない。風がぼくらを連れまわすのでもない。
ぼくらが、風を見、風を聞き、風を読む。
そうして、自分の進む進路を決めるんだ。
ほんとうに生きたい方向に向かって。
- 感想投稿日 : 2013年10月17日
- 読了日 : 2013年10月16日
- 本棚登録日 : 2013年10月16日
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