言語を用いて一般化を行うという話はよく知られており、理解した気になっていたが、本書では子どもの視点で世界を言葉によってどう切り分けるかという点が丁寧に説明されていた。本書での例では、確かに公園にいた自分とご飯を食べた自分という存在を同一視することは、"ぼく"という概念を得なければ難しいという話があり、自己認識も命名によって外界と自身を切り離す行為だというのは目から鱗だった。
言葉を得ることによって、自身の体験から離れたものを言語化できるようになったこと、これは確かに世界の認識を広げた。しかし、その実態のないものだけが(自身の)世界を形作っているのかもしれないと疑うことも必要だと感じた。自身の体験したものを言語化できるように自己を形作りたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
言語学
- 感想投稿日 : 2024年2月12日
- 読了日 : 2024年2月12日
- 本棚登録日 : 2024年2月11日
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