ビルマの竪琴 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1959年4月17日発売)
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本棚登録 : 1443
感想 : 154
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久しぶりに再読しましたが、記憶していたよりも、文章もストーリーも優しく感じました。今更ながら、童話雑誌掲載の子供にも読める作品だと思いました。
日本軍の戦況は、悪化し、苦戦を強いられていた。ビルマの一小隊では、音楽学校出身の隊長が、隊員に合唱を教えていた。苦しい時、団結する時、彼らは歌う。今読めば、そんな事はなかったでしょうとは思うけど、こんな小隊もあったかもしれないと思わせてくれる。
その隊の一人、水島は、楽才に優れて竪琴も自作していた。敗戦となり、小隊は捕虜となるが、水島は、ある任務をきっかけにビルマの戦死者の霊を弔うため、出家しその地に止まる決意をした。
日本に帰る仲間は、生きて帰り日本の復帰を目指す。
戦争の理不尽さ、戦闘への反省そして敗戦後の生き方を当時の子供達に伝える作品です。
最後に作中で使われた楽曲の歌詞と楽譜が掲載されています。一高寮歌「嗚呼玉杯に花うけて」は、活字で読むとそれだけで、苦しくなりました。
“剣と筆とを取り持ちて”

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮文庫
感想投稿日 : 2023年5月28日
読了日 : 2020年11月28日
本棚登録日 : 2023年5月28日

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コメント 7件

なおなおさんのコメント
2023/06/13

“水島”と言えば、“中井貴一”ですよね(映画)。
「おーい、水島!」「日本に帰ろう!」を確認したくて(T_T)、ここだけ部分読みした覚えがあります。ホントにここだけ…^^;

おびのりさんのコメント
2023/06/13

おはようございます。そう!中井貴一さんでしょ。今回、1956年の映画しかprimeになくて、荒城の月の男性合唱が素敵な古ーいほうを観ました。
素朴な感じが良かったですよ。

なおなおさんのコメント
2023/06/13

おーーい、おびのりさん!w
もっと古い映画もあるのですね。
「おーい、水島!」と投げかけられた中井貴一の演技に感情移入してしまいます。そして竪琴で奏でる“仰げば尊し”……(T_T)
久しぶりにYouTubeで観てしまいました。おびのりさんのお陰です(;_;)/~~~

おびのりさんのコメント
2023/06/13

おーい、なおなおさーん。
観ちゃうよねー。
私も、はじめは、全編観るつもりなかったのに、結局、白黒映画観ちゃったもの。
これ文庫の最後に全部歌詞が掲載されていて、歌詞で感動できるのよ。

なおなおさんのコメント
2023/06/13

文庫の最後に歌詞があるのですね!?知りませんでした^^;
実家に本があるので確認します!実は私の本で、ホントに「おーい、水島!」のあのシーンだけを読みたくて購入^^;
おびのりさんとのこのやり取りを機に読んでみますね!

下山はじむさんのコメント
2023/10/20

本は読んでないのですが、市川崑監督の白黒映画を60年ぐらい前の小学生時代に見ました。川岸に死体が山のように高くるいるいとしている映像が「わ~」と怖くて、今も脳裏に焼き付いています。「水島、帰ってこい」という戦友の声。「埴生の宿」の竪琴のの音も。いい映画でした。
隊長=三國連太郎 水島上等兵=安井昌二 伊東軍曹=浜村純 小林一等兵=内藤武敏 馬場一等兵=西村晃
というそうそうたるメンバーでした。

おびのりさんのコメント
2023/10/21

下山さん、いいね、コメントありがとうございます。
ビルマの竪琴は、ずいぶんと昔の学生の頃読み、今回は久しぶりの再読でした。少し考えれば、戦地で合唱はないだろうとわかるのですが、とても感動した記憶があります。
この古い方の映画は、古さから現実感があり、男性合唱に聞き入り、ついつい全編鑑賞してしまいました。
小説は、児童でも読めるように書かれていて、古さを感じませんでした。
河合さんの著作をたくさん読まれていますね。以前、源氏物語を読ませていただき、幅広い方だなと思っていました。
フォローさせていただきます。
ありがとうございました。

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