Slaughterhouse-Five (Modern Library 100 Best Novels)
- Dell (1991年11月3日発売)
本棚登録 : 67人
感想 : 10件
昨年亡くなったVonnegutの代表作の一つ。
第2次世界大戦中、捕虜としてドレスデンの空襲を体験したVonnegutが、「戦争を描いた」作品。
恐ろしく悲しくて辛い話なのだけれど、Vonnegutはそれを飄々とユーモラスに語ります。
主人公Billy Pilgrimは、著者と同じように第2次世界大戦中にドイツ軍の捕虜となり、ドレスデンで史上最悪の空襲を経験して、無事帰国します。
本人によればBillyは時間の旅人であり、よって小説の中でも戦時中に、戦前に、戦後に、彼の意識は行ったり来たりします。
また、Tralfamadore星人に誘拐されて、そこで彼らの考え方を学んだといいます。
こう書くと、読んでない人はどんなくだらないSFかと思うかもしれないけど、違うんだよ…。
こういう形でしか小説にできなかった。
でも書かずにはいられなかった。
そういう切実さがひしひしと感じられます。
死にまつわる文の後に必ず添えられる"So it goes"とか、ロトの妻の話とか、serenity prayerとか、カラマーゾフとか、取り出して語りたい部分はたくさんあるのだけれど、どれも短くまとめられないので割愛。
200ページちょっとの短い小説なんですが、なんだかまだ気持ちが小説の中にいて、次の本に移れません。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
北米
- 感想投稿日 : 2010年7月3日
- 読了日 : 2010年7月3日
- 本棚登録日 : 2008年7月30日
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