カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社 (2006年11月9日発売)
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感想 : 237
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まぁ圧巻でしたわ。
大審問官における「自由とパンとは両立しえない」と、人間に選ぶ自由を与えた神を責める巧みさには舌を巻く。
これはもう人間の弱さにつけ込んでくる悪魔そのものの思考だと思ったね。
ひとはパンだけで生きるものじゃないと聖書に書いてあるのは、それがどれほど難しいことか神ご自身が良くご存知だからなんだよね。
ああ神についてゆける数万の強者と
悪魔について行ってしまう数百万の弱者。
門は常に狭い。
狭き門から入れ、入りたいねぇ。入れてください。
ゾシマ長老の兄さんについてのところ、前回10年程前に読んで、かなり共感共鳴したのだけれども、今回はふんふんそうだね、と当然の如く通り過ぎた感がある。
でも本当はここもとっても大事なところで、こういう兄さんみたいな人こそが狭い門を通っていけるんだと思うわけさ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年8月7日
読了日 : 2016年8月7日
本棚登録日 : 2016年8月7日

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