少年キングコミックの発行順で、超人ロックはまず<英雄>としてあった。
帝国から逃れるくだりで単純なスーパーヒーロー像を脱ぎ捨て、<変身する者>となった。
名作『聖者の涙』では<賢者>になり、以降はとにかく人間力でなんとかする超人として描かれるようになったという印象を持っている。
『エンダーのゲーム』では軍人となったエンダーは<英雄>としてクライマックスを迎え、<賢者>あるいは<師>となって物語を終える。最終章のタイトルはずばり本書のタイトルでもある。
スーパーヒーローが転身する物語に親しんでいたためか、はたまた方向性が明示的であったためか続編のありように文句はない。どころか、前作を上回る内容にとても驚いている。
ヒロインを決めかねたようだとかいう筆の迷いを感じないでもなく、なんでこの人?と思わなくもない。あるいは続編を意識して物語を構成しなおした歪みかもしれない。
また、読んでしまったのは塚本淳二訳で、日本語訳が後半特にひどい箇所があり、翻訳ソフトのまんまなのかと思わせるような記述がある。翻訳家は母国語に堪能であるわけでもなく、ましてや文芸のセンスをもちあわせているわけでもないと理解しているが、プロとしてどうなのと思わせる訳ではある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年8月12日
- 読了日 : 2022年8月12日
- 本棚登録日 : 2022年8月11日
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