身体のいいなり

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2010年12月17日発売)
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本棚登録 : 441
感想 : 71
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ウチザワさんの身体交遊録。
今までロクに付き合ってこなかった「自分の身体」と、病気をきっかけに向き合うこととなる5年の記録。
とてもとてもとてもおもしろいです。

私は1979年生まれでウチザワさんとは一回り離れていますが、「身体性」の希薄感、実感のなさはすごく共感できます。
同年代や若い子が、精神状態や気分ばかり重視するのに、身体にはさほど気を払っていないのが不思議です。
まあ身体のことを心配しないのが「若さ」なのかもしれませんが。
しかし年配の方々が自分の病気を心配しながらも、ほとんどうれしそうに語る様子を見るに、身体はあまり考えないのが昨今の風潮なのでしょう。

しかし「身体」はリアルです。
ちょっと風邪を引けば、自己啓発本は読めないし、やりたくない仕事をしてお金を稼ぐことすらできません。
この本はウチザワさんのルポですが、ぼんやりと気分で生きていた人間が、病気を通して「失われたリアリティ」=「身体」を取り戻す物語ではないでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 趣味・嗜好
感想投稿日 : 2011年8月21日
読了日 : 2011年8月19日
本棚登録日 : 2011年8月8日

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