わが家への道―ローラの旅日記―ローラ物語〈5〉 (岩波少年文庫)

  • 岩波書店 (2000年11月17日発売)
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感想 : 11

『ローラ物語』最終巻というか番外編。
旱魃続きのサウス・ダコタ州デ・スメットから新天地ミズーリ州マンスフィールドまで移住したときの記録。

前後を娘のローズが書き、中間に6週間の馬車の旅をつづったローラの日記。

新しい土地を通るたびに「ここは小麦の出来がいい」とか「土地の価格」を気にしているあたり、移住者の視点だなと思う。

ローズの文章は初めて読んだけど、景色やローラの服装に対する丁寧な描写とか、今までのシリーズにもローズがだいぶ口を出したり、手を入れたりしてきたんじゃないかなというのがうかがえます。

なかなか農業がうまくいかなくて苦しんだ『はじめの四年間』のあとだと、マンスフィールドのロッキーリッジ農場できちんと収穫をあげて暮らしていけるようになったらしいことにほっとします。(でもここらへんはローズの方針なのか、いいことしか書いてないという感じもする。)

「もし、わたしがインディアン(アメリカ先住民)で、ここをたちのかねばならなくなったとしたら、きっと白人の頭の皮をもっとはいでいただろう。」

「水は、常に人間に影響を与えている。いったい、水はどのように人間とかかわりを持っているのだろうか? わたしは、大河や広大な湖を見たことがないが、一つの世界がいかにして創られるのか、その変化の過程を始めから終わりまでつぶさに見たいと思う。」

「移住者の馬車が、うしろからきている。いずれそのうち、いつもの質問がくるだろう。
「どこからきたんですか?」
「どこへ行くんですか?」
「行く先の土地の作物は、どうなんですか?」
こういった質問を、必ずーーほとんど例外なくーーあびせられるのだ。」

「土地は良さそうに見えるが、庭や畑に雑草がはびこっているところを見ると、人々は怠け者だ。」


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 岩波少年文庫
感想投稿日 : 2019年8月7日
読了日 : 2019年8月7日
本棚登録日 : 2019年8月7日

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