田辺さん、若いころから「箴言」がお好きなんだそうです。
タイトルも田辺流箴言でしょうか。いや、なるほどと思います。
ほかにも、ほーとか、へーとか、うならせられる言葉がたくさん。
話のもっていき方が上手なんですね、きっと。
いちいち面白くて、読み終えるのが惜しいくらいでした。
「女は自分が惚れた男のことは忘れても、
自分に惚れてくれた男のことは忘れない」
「可愛い男とはすぐ切れるが、
可愛げのある男とは、だらだら続くものである」
「老いぬれば、キレやすし」
「女に言い勝ってはならない。収拾つけようと思えば」
「悪妻を自認するのは一番始末に悪い悪妻である。
さまざまな悪徳の上に、居直りという悪癖も加わっている」
「なるべく怒らぬよう。
怒ると人生の貯金が減る」
「苦労は逃げえ」(苦労からは逃げなさいという意)
なんやら引用ばっかりして気が引けますが、
田辺さんも若いころは
「言いつくろってごまかそうとする人間を見ると、腹が煮えくり返り、
とことん追及して白黒の決着をつけ、ぎゃふんといわせずには
おかない気であった」らしいです。
それが
「角が立っては引っこみつかんようになるのやないか」
と先々が読めてくる。
「世の中は複雑に絡みあっており、引きずり引っ張って、
どこへ影響を及ぼすかしれないということをも学習する。
といって、あまりに放恣でもならず、そのへんのかねあいの
むつかしさも、オトナの修行である」
私、全然、オトナの修行が足りません。
一人前に年はいったけども、
まだまだ、まだまだですなぁ。
- 感想投稿日 : 2009年11月29日
- 読了日 : 2009年11月29日
- 本棚登録日 : 2009年11月29日
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